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2018年11月19日 関連意匠制度

(関連意匠制度とは)

 関連意匠制度とは、基本となるデザイン(本意匠)のバリエーションデザインを創作した場合に、所定の要件を満たすことで、その類似するデザインを登録できる制度です。

メリットとして、

 関連意匠の意匠権は、関連意匠と同一または類似の意匠にまで及ぼすことができます。また、基本となる意匠の類似の範囲を明確にしておくことができます。

(関連意匠制度のあらまし)

 登録できる意匠は、原則として、一つの意匠に対して与えるものであり、重複した権利を与えることはできません。この原則は、登録意匠と類似する意匠についても同様です。

 ただし、この原則を貫きすぎると、現在のデザイン開発実態に不都合が生じる場合があります。

 現状、デザインの開発において、一つのデザイン(本意匠)から多くのバリエーションのデザインが創作される場合が多いです。

 これらの類似する複数のバリエーションの意匠(関連意匠)にも、権利化を認める制度が必要でした。

 そこで、所定の要件(条件)を満たした上で、類似する意匠の登録を認める関連意匠制度ができました。

(関連意匠の要件)

1.基本となる意匠(本意匠といいます。)の出願人と同一の出願人による出願であること

2.本意匠と類似すること

 関連意匠の出願が、本意匠とは類似しないと審査官に認定された場合、拒絶理由が通知された段階で、通常の意匠出願に補正することが可能です。

3.関連意匠にのみ類似する意匠でないこと

 複数の関連意匠を予定している場合、自己の関連意匠にのみ類似する関連意匠の出願を認めると、本意匠の権利範囲の類似群になっているかが、紛らわしくなることから、設けられた条件です。

4.本意匠の公報発行の前日までに出願されたこと

 本意匠の公報発行の前日まで、関連意匠について出願をすることができます。

5.新規性、創作性等の登録要件を満たすこと

 関連意匠の出願も本意匠の出願と同様、新規性等の登録要件を満たす必要があります。

 

関連意匠として、出願できる例が、特許庁により例示されております。下記URLをご参照ください。

https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/bubun_isyou.htm