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2019年1月8日 デザイン上の類似関係(関連意匠の登録例)

今回は、意匠の類似について、関連意匠の登録例で見ていきましょう。

各登録意匠の「意匠に係る物品」は、いずれも建築資材等に用いる『ステープル』です。

【登録例1;二つの意匠は関連意匠として登録された】

第1276435号

針先が内向き

高さが異なる

第1276031号

針先が内向き

高さが異なる

【登録例2;二つの意匠は類似しないとして別々に登録された】

第1276435号

針先が内向き

高さが略同じ

第1274523号

針先が外向き

高さが略同じ

登録例1の2つの意匠について、審査官は、ステープルの高さに違いはみられるが、針先の向きが共通するので、関連意匠と認められると判断しています。

一方で、登録例2の2つの意匠について、審査官は、ステープルの高さは略同一であるが、針先の向きが異なるので、それぞれ関連性のない意匠と判断しています。

審査官は、ステープルの特徴部分を針先の形状にあると認定し、関連性のある意匠か否かを判断しています。そして、ありふれた形状の変更点であるステープルの高さの相違点は、類似する範囲であると判断しています。

登録例1と登録例2から、

  1. 特徴部分となる形状の相違点がある場合、類似しない範囲と考えられます。
  2. ありふれた形状の変更のみ認められる場合、類似する範囲と考えられます。