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2018年12月14日 部分意匠制度

(部分意匠制度とは)

部分意匠制度とは、物品全体としてみた場合、従来ある物品と略変わり映えしなくても、物品の一部分に、特徴あるデザインを施した場合に、その特徴部分について登録を受けることができる制度です。

(メリット、デメリット)

メリット:

特徴部分について登録を求めるものですので、

その特徴部分と類似関係にある従来技術がない以上、登録になります。

全体を登録対象とするよりも、登録対象を部分的なものにすることで、権利化しやすくなります。

  デザインの特徴部分が類似していればいいので、侵害品の特定が容易で、侵害行為に対する差止めをしやすいです。

デメリット:

全体を登録対象とした場合に比べ、特徴部分のみの登録ですので損害賠償額が目減りします。

(部分意匠制度の効果的な利用法)

製品の競合会社が多い場合、製品の全体像が似てしまう場合が多いと思います。その時、製品の外観の一部に変更を加えて、他社との差別化を図る場合に利用すると効果的です。

損害賠償額よりも、侵害行為をやめさせることができれば十分と考える場合も、効果的な権利の取得方法となります。

(部分意匠の図面の作成方法)

図面で作成する場合は、権利化したい特徴部分を実線で描き、それ以外を破線で描くのが一般的です。

写真で作成する場合は、権利化を要求しない部分を朱で塗りつぶしたり、薄墨を付したりします。

例えば、 下記のようにします(j-platpatの自転車の情報から)。

 左の写真の場合、権利化を要求しない部分を朱で塗りつぶしています。

 左の写真の場合、権利化を要求しない部分を黄色で塗りつぶしています。

権利化する部分と、対象外の部分をはっきりさせることが重要です。

 

願書の意匠の説明にも、部分意匠であることを説明を入れます。物品のどの部分が、権利化したいのかを文章で記載します。